網戸というのは、窓があるとだいたい一緒にセットになっており、網戸を活用している家庭も多いです。窓を開けたとき、網戸がないと外のホコリはもちろん虫も入り放題で、室内環境がとても悪くなります。網戸には、虫の侵入を防ぎ、道路からの排気ガスやホコリからも守ってくれる役割があるためできれば破れや穴がない状態で使いたいです。
今回は網戸の張り替えを自分でおこなう方法をお伝えします。業者に頼むと費用がかさんでしまうので最近ではDIYが流行っています。しかし初心者ではきれいにできるかどうかも不安です。そこできれいに張り替えるコツも一緒にご紹介するので、あわせて参考にしてみてください。
網戸の種類と仕組み
ご自宅にある網戸はどのタイプでしょうか。昔ながらの引き戸のタイプがいちばん普及していますが、その他にも網戸にはさまざまな種類があります。また使用場所によって使い分けをすることで快適な家づくりのお手伝いをしています。
網戸にはどのような形状があり、メリットがあるのかを解説していきます。
網戸の役割と仕組み
・網戸の役割
いちばんの役割は、虫や鳥などの侵入をふせぎ風のみを通すことです。網戸がなければ、虫やノラ猫まで入ってきてまったく落ち着けないです。また自然の風を取り入れるのに、窓を全開にしていれば外から部屋が丸見えです。網戸が1枚あることで外からの知らない人から覗かれることもありません。
・網戸の構造の仕組み
網戸の網は消耗品のため、張り替えが必要です。張り替え作業がスムーズにできるような簡単な構造になっています。外枠に網がはめこめるように、溝にゴムをしいて網を固定しています。
・網戸の形状の違い
◎アコーディオン網戸…玄関、勝手口、テラス、ベランダ、バルコニーで使用されます。プリーツ状の網を折りたたんで収納できるタイプです。コンパクトで、使わないときはスッキリしまえるので人の出入りが多い場所で多く使用されます。
◎ロール網戸…左右、もしくは上下に動かすことで網戸が開閉できるタイプです。使わないときは網をロール状にくるくるしまえるので、見た目にも邪魔になりません。こちらもアコーディオン網戸と同様、玄関、勝手口、テラス、ベランダ、バルコニーと人の出入りが多い場所で使用されます。
◎パネル網戸…もっとも一般的な網戸です。引き違いの窓や引き戸タイプ玄関に使用されています。
◎カーテン式網戸…室内の中に取り付けたり、のれんのように使用できる網戸です。風通しがよくワンタッチでつけられる手軽さがあります。
網の種類
網戸に使われる網には、素材や色など種類があるので好きなものを選ぶことができます。また用途によって選ぶことで居心地のよい室内になります。ではどんな種類があるのかを説明します。
・材質
◎ポリプロピレン…一番普及している網戸の材質です。軽くて扱いやすいのでDIYにむいていますが、耐久性は弱いです。
◎ポリエチレン…こちらもDIYするにはおすすめの材質です。ポリプロピレンよりも耐久性があるため、ペットのひっかき傷でお困りの家庭におすすめです。
◎グラスファイバー…耐久性もすぐれ、熱にも強いことが特徴です。たるみが少ない分、ピンと張りやすく、ほつれにくいです。
◎ステンレス…いちばん耐久性も強度もあります。そのためペットかあの傷に強いですが、高額なのが気になるところです。また通常の網戸の寿命が2年と言われているのにこちらは10年以上も持ちます。
・色
◎黒…特徴は景色がきれいに見えることです。中から外はきれいに見えることはよいですが、外からも中が見えてしまうのが難点です。
◎グレー…いちばん普及している色です。見え方としては、きれいに見えるわけでもなく、見えにくいわけでもない色です。外からも中らも同じような見え方です。
◎黒×グレー…室内は黒、外はグレーと2色使いで、中からはよく見えるが外からは見にくいとう利点があります。
◎柄入り…網に柄が入ることで、中からも外からも見えにくい作りです。
・網の細かさ
◎18メッシュ…1マス約1.15㎜の大きさです。一般的な網戸の大きさです。
◎20メッシュ…1マス約1.03㎜の大きさです。
◎24メッシュ…1マス約0.84㎜の大きさです。
◎30メッシュ…1マス約0.67㎜の大きさです。
網目が大きいほど、虫が侵入しやすくなります。反対に網目を小さくすると、ホコリが網目につまりやすくなるため風の通りが悪くなります。
【玄関等で取り入れたい洋風のオシャレな網戸や機能性網戸】
ペットがいると網戸を引っかかれすぐに破られてしまう、猫がよじ登る、など問題があります。穴があくたびに張り替えることもできないのでペットに強い網戸のご紹介をします。他にも機能性の優れた網戸として花粉対策の網戸もあるのでそちらもあわせてご紹介します。
・ペットに強い網戸とは?
猫がよじ登ってもやぶれないペットディフェンスです。一般的な網戸よりも厚みがあり頑丈な網の作りです。
・花粉対策ができる網戸とは?
ミクロに編み込まれたネットで、花粉が網目を通り抜けることができません。また小雨程度では、雨が入り込むこともふせぎます。外からは薄いレースカーテンのような見た目なので中を見られることもないのでプライバシーが守られます。
【おしゃれな網戸で洋風スタイル 】
網戸に柄がほどこされたタイプがあります。レースカーテンような網戸を取り付けるだけで雰囲気はまるで洋風です。日本の網戸はシンプルなスタイルが多いので、このように柄が入ったりレースタイプにするとお部屋の雰囲気も変わります。
自分で網戸を張り替える目安と手順
網戸の殆どのタイプはサッシの交換は必要なく、網のみを交換すればいいので比較的簡単に交換できると言われています。ここでは自分で張り替える手順の説明をします。そのためには道具を揃えたり、交換するにはいつ頃がよいのか、網戸張り替えに必要な情報をお伝えします。
網戸を張り替える目安と時期
〇網戸を張り替える目安
・網の端が切れる
・網に張りがない
・網に穴が開いている
・網を触ると手が汚れる
・網戸のゴムパッキンがボロボロである
〇網戸を張り替える時期
暖かくなると虫が増えます。その中でも家の中に入れたくないのが蚊です。この蚊が出回る5月初めに網戸のチェックをして、必要ならば張り替えましょう。
また寿命は2年ほどなので、前回の張り替えから2年経過しているのならそろそろ張り替えの時期です。
網戸を張り替えるまえに行うサイズの測り方
網戸を張り替える前に知らなくてはいけないこと、それはサイズです。サイズの測り方についてどこを計測するのかポイントで説明します。
1.高さを測る
アルミサッシの場合、レールの上から下まで測ります。木製網戸は、レールが木の鴨居に取り付けられているので表面の上から下を測ります
2.横幅を測る
窓枠を含めた幅を端から端まで測ります。
3.網戸の適合表でピッタリのサイズの網を選びましょう。
網戸の張り替えに必要な道具
必要なものと選ぶ際のコツを紹介
・新しい網
網の色やメッシュの数によって機能が変わります。小さな虫の侵入も防ぎたいなら、メッシュが細かいものを、風通りをよくしたいときはメッシュの大きいものを、一般的な色はグレーですが人目が気になるのなら黒×グレーを選びましょう。
・ローラー
網戸を押さえこむため溝にゴムをはめこみます。そのときに活躍するのが網戸ローラーです。
・ゴム
網戸を、窓枠とピッタリ固定させるためのゴムです。ゴムの太さはサイズがあるので、いちどいま付いているガムのサイズを測ってから新しいのを購入しましょう。
・カッター
網戸シートを枠に合わせたとき余分な箇所をカットするために使用します。刃が新しく、刃渡りが大きめの方がきれいにカットできます。
・クリップ
選択バサミでも代用できます。枠と網をセットしたときずれないように4箇所はさんでおくための道具です。網戸張り替え専用クリップも販売されているので使いやすさを求めるなら専用を用意してもよいでしょう。
・雑巾やハブラシ
何年も使用した網戸は汚れています。当然ゴム溝も汚れが溜まっているので、せっかく外したのなら雑巾とハブラシで磨いて掃除をしましょう。また掃除をすることで新しいゴムが入りやすくなります。
・先端は細長いもの
ドライバーやピンセットといったものがあると便利です。溝からゴムを外すとき、このような先端が細長い道具があるとゴムをひっかけ外れやすくなります。
自分で網戸を張り替えるときの手順
網戸の道具を揃えたら網戸は簡単に張り替えることができます。初めは慣れないかもしれませんが、手順としては難しくないので挑戦してみましょう。
1.窓枠にネットを固定しているゴムがあります。手で引っ張る、もしくはドライバーなどの先端のとがったもので引っ張り出しましょう
2.ゴムが入っていた溝は、ゴムの劣化や長い月日で汚れが溜まってます。歯ブラシやペーパーで掃除をしてください。
3.新しいネットを枠の上にのせます。枠より5㎝ほど大きめにざっくりカッターで切ってください。
4.ネットがずれないようにクリップで4箇所、止めておきます
5.まず、枠の角からローラーを使い、ネットをはめ込みます。
6.ゴムを溝の上にまっすぐ設置することに注意して。ローラーで短い辺から入れていきます
7.次に長い辺も同じように入れ込みますが、ネットがたるまないようネットを外側に引っ張りながらローラーを動かしましょう。
8.すべてのゴムをはめ込んだら。はみ出た余分なネットは切り取ってください。
簡単に網戸を張り替えるコツ
せっかく網戸を張り替えるのならきれいに張り替えたいです。きれいにできるコツをお伝えします。
・広いスペースを確保する
・ローラーの出っ張りがあるほうをネットの内側にくるよう使用する
・昼間の日差しが強くてもサングラスは禁止。※ネットが見にくいです
・ズレ防止のクリップは強すぎない力で止める
ロール式網戸や木枠網戸の施工は難しい
いままで説明してきた張り替え手順は引き戸のいちばん普及しているタイプでした。しかし網戸にはロール式や木枠式もあります。こちらも劣化するのでもちろん穴が開けば修理をしなければいけません。DIYで直すかたもいますが、引き戸タイプよりも少し複雑になります。
まず、もっとも簡単に補修できるちょっとした穴に応急処置的な、貼るシートですが、分厚くなってしまいうまくロールに巻き付いてくれないので注意しましょう。また、全体の張り替えでも、一般的な網戸用のネットでは網目が荒いので、ロールタイプには、向いていません。薄いネット(カーテンタイプなど)を使用してください。
そして、ロールタイプを分解するとあとから直せなくなると困ります。写真を撮るなど、ちゃんと元に戻せるようにしましょう。
木枠は、ゴムではめ込むのとは違い、専用の釘を打って止める方法です。本格的なDIYとなるので得意な方には向いていますが、初心者ではスムーズにいかないでしょう。
編戸の張り替え業者とDIYのメリット・デメリット
上記では、網戸の張り替えDIYを中心に解説してきましたが、もちろん業者に依頼する方法もあります。自分と業者では、どのような違いがでるのでしょうか。気になる費用のことやメリットデメリットをまとめてみました。
DIYと業者依頼でかかる費用の違い
DIYではネット、ゴム、道具の材料費のみですが、業者は材料費にオプションが追加されることがあります。たとえば、その場で張り替えができないときは一度持ち帰るため引取費用がかかります。
その他、深夜料金や「〇枚から~」と設定している業者もあるため、一枚だけ張り替えてほしくても結局他の部屋の網戸もお願いすることとなります。このように、低価格を望むならDIYです。
網戸の張り替え業者とDIYのメリット・デメリット
費 用……(DIY) 約\〇 /1枚
(業者)約\〇+α/1枚
期 間……(DIY) 1日
(業者)1日~1週間
メリット ……(DIY) 安価で済ませられる / 家に他人を上げない / 自分の好きなネットでできる
(業者)プロなのできれいな仕上がり / 手間や時間を気にしなくてよい
材料費のみで済むならDIYとほぼ変わらない料金でできる
デメリット……(DIY) 初めてで慣れていないと時間と体力を使う
(業者)材料費以外に、夜間料金や引取費といった +αがかかる / 業者が家に入る
網戸を引き渡した時戻ってくるまで日数がかかる
網戸の張り替えを業者に依頼する目安
網戸の張り替えを考えているのなら、自分でやるか業者に依頼するか悩むところです。
網戸張り替えにはそれなりに広いスペースが必要なので、庭がない、賃貸住宅といった方は業者にお願いしましょう。また体力に自信がなかったり、仕事などで忙しく普段家にいない方も業者がおすすめです。
反対に、張り替えるためのスペースが確保でき、日曜大工を日ごろから経験しているような方、費用を安く抑えたい方はDIYで張り替えることも問題ないでしょう。
網戸の修復具合によっては自分できるところはDIYで応急処置をして、できない残りは業者にお願いするといった方法もあります。
まとめ
網戸の張り替えはDIYできそうでしょうか。手順としてはさほど難しくないので、主婦の方でもおこなえます。しかしどうしてもコツが必要だったりして、たるんでしまう、ほころびがでてしまうといった可能性もあります。何度も挑戦して慣れると費用も安く済むため、DIYもおすすめですが自信がなければ専門の技と知識をもった業者へ依頼するほうがよいでしょう。
網戸も古くなると網戸としての役割機能をしなくなるので、穴が開いている、たるんできた、汚れがひどいなどといった場合はぜひ新しい網戸にしてください。