
ご自宅に畳の部屋はありますか?フローリングの洋式スタイルの建築が増えたため、和室の部屋をあえて作る方は減りました。
しかし日本の代表的な床剤である畳が減ったのは、建築スタイルだけが理由ではないようです。それは畳の扱いが難しいからです。
フローリング生活に慣れた人には、食べ物をこぼしてもすぐに拭き取れる、とくにお手入れも不要といった扱いやすさに比べると、畳はデメリットが目立ちやすいでしょう。
畳はシミになりやすい・傷に弱くボロボロになる・湿気が苦手なため換気が必要・ダニやカビが湧きやすい…など、悪い点に注目すると気になることがいろいろ出てきます。
しかし、本当は畳は好き、できれば家に取り入れたい、そう思っている方も多いはず。
やはり日本は畳文化です。畳は好きだが、デメリットが気になる…。そのように畳の取り入れを我慢している方にぜひおすすめしたいのが和紙畳です。
「和紙畳ってなに?通常の畳と違うの?」そんな疑問にお応えすべく今回は和紙畳について、魅力をたっぷりお伝えするので、どうか最後までご覧になってください。
畳の張替えなどで取り入れたい和紙畳の特徴
畳の張り替え時期になったらいちど試してほしいのが和紙畳です。
和紙畳は、見た目は通常の畳と変わらず見分けがつかないほどです。
しかし、従来の畳で気になっていたデメリットを解消するために作られたような和紙畳。畳と疎遠になっていた方でも取り入れやすいことから、近年では人気がでています。
ここではまず、和紙畳とはどんなものなのかを説明していきます。
快適に使える和紙畳
和紙畳とは、和紙で作られている畳です。自然素材である紙を使用しているので、小さなお子さんがいるご家庭やペットのいるご家庭でも安心して使用できます。
和紙ですので、ほどよく空気を含んでいます。湿気なども取ってくれるので、日本の住宅環境にはぴったりの素材といえるでしょう。
最近では、畳を設置せずにフローリングのほうが掃除も楽だからといって、オールフローリングの部屋にされる方が多いです。
しかし、そんな方でも撥水性のある和紙畳はおすすめです。お子さんがジュースなどをこぼしてもふき取るのみとお手入れも楽です。
また、撥水加工には赤ちゃんの肌にも優しい樹脂素材を使用しているので安心です。
一般的なイグサの畳では、3~4年で裏返しや表返しをして約10年が寿命となるので、交換が必要となります。しかし、和紙畳は耐久性があるのでメンテナンスも不要であり、長くキレイな状態にて使用可能です。
カビに強いこともメリットです。湿度の高い地域でも安心して使用できます。傷にも強いので、ペットがひっかいても大丈夫です。通常の畳の3倍も耐久性があるので、丈夫で安心できるでしょう。
≪インテリアに役立つ和紙畳の種類≫
和紙畳はカラーが豊富なのでインテリアにもなります。2色を組み合わせる、織り目の向きを変えることでインテリアの幅が広がることでしょう。
主な色は、銀白色、若草色、黄金色、乳白色、栗色、灰桜色、白茶色、胡桃色です。各社からさまざまな種類のものが出ていますので、実際にどんな色があるのか探してみるとよいでしょう。
≪他に使用されることが多い畳≫
和紙畳以外にも畳には、さまざまな種類があります。それらと和紙畳はどのように違うのかをご紹介します。
●イグサの畳
イグサの畳は、よく和室などで目にする畳です。国産では、熊本県が主な産地ですが、価格が高くなるので主に流通しているイグサの畳の半分は中国産のものです。
寿命は10年となっており、3~4年で裏返しや表返しをおこなわないといけず、メンテナンスが大変です。傷もつきやすく、太陽によって日焼けして変色することも。
また、ジュースなどをこぼしてしまうとシミになることもあるので、お手入れが重要となります。
ただ、イグサのよいニオイが好きという方もいることでしょう。「ザ・和室」という雰囲気にしたい!日焼けなども、畳の味であり好きという方にはおすすめの畳です。
●琉球畳
サイズが真四角であり、かわいいということで使用されている琉球畳。ただ、イグサの畳同様にジュースなどをこぼしてしまうと吸い込んでしまうのでシミができやすいです。
また、湿気を吸い込んだ状態が長くなるとダニやカビは発生することもあるので危険です。畳に凹凸があるので、隙間にホコリが入り込むと、なかなか掃除機では取り除くことが難しいのが難点です。
イグサの畳同様に、傷もつきやすく、日焼けもするのでメンテナンスは必要となります。
●樹脂畳
人工の樹脂にて作られた樹脂畳。撥水効果があるので、ジュースなどをこぼしても拭くのみなので安心です。水だけでなく、油にも強いので畳の上で食事も可能です。
使用していくうちに毛羽立つのが気になるのが畳ですが、樹脂なのでそのようなこともなく、耐久性があります。
日焼けもせず、色褪せしないのでキレイな状態を保つことができます。ダニやカビなどの発生を防ぐので、健康面でも安心でしょう。
ただ、樹脂なので夏場はベタベタしたり、冬は冷たかったりするデメリットがあります。
和紙畳が必要な状況
和紙畳を使用するにぴったりの状況とはどういうときなのか、どんな方におすすめかをお伝えします。
・小さなお子さんがいたり、ペットを室内で飼っていたりする人
・イグサのアレルギーを持っている
・長くキレイな状態で畳を使用したい方
・メンテナンスをしなくてもよい畳を探している方
和紙畳のメリット・デメリット

ここからは、和紙畳のメリットとデメリットを詳しくご紹介します。
和紙畳のデメリット
(1)メンテナンスに費用がかかる
イグサには、独特のニオイがあります。その香りには癒し効果もあるので、イグサの畳の上で寝転んでみると落ち着くという方も多いのではないでしょうか?そのため、イグサの畳を好む方も多いです。
ただ、寿命は10年となっており、3~4年で裏返しや表返しをおこなわないといけず、メンテナンスが大変です。
費用面では、以下が相場となっております。こちらは、あくまでも相場なので、業者やイグサの産地などで費用が異なることがあります。
・裏返し:約3,500円~/帖
・イグサ畳表替え:(中国産イグサ)5,000円~/帖
・イグサ新品交換:6,000円~1,0000円~/帖
・和紙表:10,000円前後/帖
(2)跡がつく
イグサの畳の上に家具を置いてしまうと、その部分のみ凹んでしまいます。
また、その部分だけ変色していなかったりすると気になってしまうでしょう。
和紙畳のメリット
(1)ダニやカビの発生が抑えることができる
イグサの畳は、凹凸があり掃除がしっかりできずにダニやカビが発生しやすいです。
ただ、和紙畳では、しっかり手入れが行き届くので清潔に保つことができるので衛生的に使用することができます。
そのため、赤ちゃんを安心して畳の上で遊ばせることができるでしょう。
(2)メンテナンスが楽
イグサの畳であれば、3~4年で裏返しや表返しを行い、寿命の10年が近づいてきたら交換しないといけません。
しかし、和紙畳はそのようなメンテナンスは不要です。また、表面が樹脂にてコーティングされているので撥水効果もあり、ジュースをこぼしてしまっても、すぐにタオルで拭くだけでキレイにできます。
傷もつきにくく、イグサの畳の約3倍も耐久性があるので張り替え時期が長いのでコスト面でも抑えることができます。
(3)日焼けなどの色褪せが少ない
畳は日々太陽の光によって日焼けしていきます。それは、イグサの畳の内部に葉緑体が含まれており、紫外線を浴びることで化学反応をして変色するのです。
和紙畳はそのような葉緑体は含まれていないので、変色はしないのです。
(4)イグサのカスで服を汚さなくてよい
よく、畳の部屋で正座しているとタイツやワンピースに畳のカスがついてしまって大変な事態になったことはありませんか?イグサの畳は傷がつきやすく、長年使用していると表面が毛羽立ち衣類に付着してしまうのです。
ときとして、イグサでアレルギー反応を起こすこともあるので危険です。
イグサが付着することでかゆみをともなうときは注意しましょう。
(5)色の種類がたくさんある
イグサの畳には色は一色であり、選べません。しかし、和紙畳にはたくさんの色があります。
そのため、二色を使用して自分好みの空間を作ることができます。
≪和紙畳のお手入れ方法≫
ここからは、もし和紙畳の上にこんなものをこぼしてしまったら…という内容をご紹介します。
(1)ジュースなどの液体
【お手入れ方法】
乾いたタオルや雑巾などでこぼした液体を拭き取るだけです。そのとき、あまり強くこすってしまうと表面が白くなるので注意が必要となります。
(2)油やクレヨンなどの油体
食用油やドレッシング・マヨネーズなどが付着したときは、布に中性洗剤を薄めてつけて、しっかり絞ってから拭き取ります。
灯油をこぼしてしまったときはすぐにティッシュペーパーや雑巾などで拭き取りましょう。
沁み込ませないように拭き取るのが重要です。その他のクレヨンやマジックでお絵かきしてしまったときは、落とすことはできません。注意しましょう。
(3)小麦粉のような粉体
まずは掃除機などで粉を吸い込み、その後に固く絞ったタオルや雑巾などで拭き取ります。
上記にお手入れをご紹介しましたが、そのお手入れが遅れてしまうとシミとなってしまうことがあります。以下では、シミになってしまったときの対処法や注意点などをご紹介します。
食べ物で汚れてしまったときは、専用の洗浄液を使用したり、キッチン用の漂白剤などを薄めて綿棒などにつけたりして、シミの部分に塗るとキレイになるでしょう。このとき換気には十分に気をつけましょう。
また、濡れた雑巾で強くこするのはやめましょう。そして、シミを放置しておくとさらになかなかとれません。早急な対応が重要となります。
あまりにも汚れがひどいときは、業者に依頼して交換してみるものよいでしょう。月に一度は、畳全体を固く絞った雑巾やタオルで拭くとキレイな状態を保つことができます。
まとめ
ここまで、和紙畳についてご紹介してきました。最近では、畳はメンテナンスなどが大変でコストもかかるので和室を作らないお宅も増えてきました。
しかし、畳は小さなお子さんが遊ぶ場所としてはクッション性もあるので適しています。
そのため、畳は設置したいと思われる方は多いのではないでしょうか?
和紙畳であれば、和紙ですので健康面でも安心であり、耐久性がイグサより3倍もあるのでメンテナンスも楽です。掃除も、もしジュースをこぼしても拭き取るのみですので楽です。
傷もつきにくいのでペットを室内で飼っている方にもおすすめです。
色もたくさんあるので、お好みの畳空間を作ってみてはいかがでしょうか?